香川県で建築の設計・施工を手がける株式会社菅組。
「風景をつくる」という理念のもとで生み出される建築への思いを
同社で設計を手がける建築士に聞きました。

「建築は風景をつくる」その理念に共感して
現在の香川県三豊市で宮大工集団から発足した株式会社菅組。建築を通じて香川らしい風景を次世代に残すことを大切にし、病院建築からオフィス、工場、福祉施設、商業施設、社寺建築から住宅まで、様々な建築の設計・施工を手がけています。
入社3年目となる設計士の沖野瞭太郎さん、小野愛実さんもその理念に共鳴した2人。学生時代にはそれぞれに瀬戸内海地域をフィールドとし、建築と周囲の街並みとの関わりを実践的に学びました。その後、縁のあった香川を拠点に建築士を志す中で、地域に根差した菅組への入社を決めました。
入社2年目の2024年には2人で設計コンペティションに挑戦し、「心地よさをさがす家」というプランを発表しました。
太陽や風など自然の力を利用した、実際に建築できる住宅プランをつくり上げたことは大きな学びにつながったと言います。
「1・2階の間に設けた無双窓は、開けることで空気の通り道を確保できるとともに、家のどこにいても家族の気配を感じられるように提案しました。反対に、閉めれば通風を遮断し、プラベイートな空間に。住まい手の操作で可変できるのが特長です」と小野さん。
さらに、造成地の一画に建てることを想定されていたため、街並みに開かれるようにして植栽を配置するなど、周辺景観にも心を配った計画に。「最初は互いにぶつかり合いましたが」と笑う沖野さん。2人の想いが形になったこのプランは、みごと入賞を果たしました。

自然エネルギーを生かして温熱環境を整えるパッシブデザインを採り入れたプラン

各自で考えたプランを持ち寄り、議論を重ねて形にした
香川の暮らしに
寄り添う建築を求めて
小野愛実さん
幼少期に宅地開発を目の当たりにしたことで、風景に寄り添った建築のあり方を考えるようになったという小野さん。「昔ながらの集落には、その土地特有の営みが色濃く反映されています。では今の暮らしにおいて、風景の中で建物はどうあるべきなのか、自分なりに考えたいと建築の道を志しました」
その後、菅組での住宅設計を通じて、住まい手の潜在的な想いを汲み取る大切さに気づいたと言います。「相手の価値観に立って真に叶えたい想いを紐解き、豊かな暮らしのお手伝いができるよう心がけています。実際の暮らしの中で心地よいと感じていただけると、とても嬉しいですね」
今後も経験を糧としながら、「自分なりに考える”香川らしい暮らし“のあり方を形にしたい」と意気込みます。

一級建築士(登録手続き中)
小野 愛実 Ono Aimi
香川県出身。近畿大学工学部建築学科を卒業後、故郷で地域に寄り添う住まいづくりをしたいという思いから、2023年に株式会社菅組へ入社。現在は木造住宅の意匠設計を担当している。

小野さんが設計に携わった住宅

勾配天井で明るく開放感のあるダイニングスペースに

庭に向かって大きく開口した窓。木漏れ日が心地よい
長く愛される
建築をめざして
沖野瞭太郎さん
病院や事務所などの施設の設計に携わる沖野さんは、上司と共にヒアリングや図面制作に携わっています。ある医療施設の設計では、来院者と医療スタッフ双方の立場に立って計画を進める中で様々な気づきを得たといいます。
「設計は、建物を通して色々な価値観に触れられる仕事です。利用者目線でのデザインを軸に、構造・環境・法令・施工などの多様な視点から総合的に考えて、一つの建物としての佇まいを整えていく。大変ですが、仕事を通じて多様な人と関わり、自分の世界観も広がっていると実感しています」
目標とする建築は「時を超えて長く地域の人々に愛されるもの」と沖野さん。「地域に溶け込み、人々を温かく招き入れるような建物を、いつか手がけてみたいです」と語ります。

一級建築士(登録手続き中)
沖野 瞭太郎 Okino Ryotaro
広島県出身。京都大学工学部建築学科卒業後、同大学院工学研究科建築学専攻(修士課程)修了。地方での暮らしに関心を持ち、香川に移住。2023年に株式会社菅組へ入社。現在は一般建築(非住宅・小規模施設等)の設計を担当している。

モデルハウス
高松市飯田町の「i-works5.0菅組モデル」は事前にご予約の上、見学を承っています。i-worksとは、建築家・伊礼 智氏が、多くの人に心地よさを提供することを目指しながら、住まいを丸ごと「標準化」したプロジェクトです。
株式会社 菅組
[本社]香川県三豊市仁尾町仁尾辛15-1
tel.0875-82-2441
[高松]香川県高松市郷東町23-7
tel.087-882-6387
https://www.suga-ac.co.jp
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