書店に行こう —古本屋店主という人
古本屋に行ったことがありますか?
いくつもの手を経て店にたどり着いた古本は、
色褪せない味わいを持ち、独特の魅力を放っています。
同じ本でも、店によってどこか違って見えるのは、
その一冊に古本屋店主の人柄が映し出されているからかもしれません。
古本屋の店主とは、一体どんな人なのでしょうか。
古本屋店主という人
・【古本屋YOMS】本と人の交差点となり、物語をつないでいく
・【讃州堂書店】時代を見つめて半世紀。老舗古書店が刻む、まちの記憶
・(Coming soon)
photo Gomi Shunsuke
世代を超えて受け継がれていく面白さ
田町商店街に並走する裏通りの小道にある古本屋「YOMS」。
高松の商店街の雰囲気に魅せられ、2015年に東京から移住してきた齋藤さん夫妻が営んでいます。店に立つ夫の祐平さんは絵の制作やフリーペーパーの発行など多角的に活動し、妻の末度加さんは漫画家サイトウマドとしても活躍しています。

そんな2人の店舗には、珍しいアートブックや写真集、サブカル本などが豊富にありつつ、オールジャンルの多種多様な本がひしめき合っています。古本だけでなく自費出版の本や、古い絵葉書、ミニチュア雑貨なども並び、店内はおもちゃ箱を開けたようなワクワク感に満ちています。

ファッション写真の巨匠ヘルムート・ニュートンが撮影したルイ・ヴィトンの写真集。ぜひ手にとって観てもらいたい一冊

キーホルダーやミニチュアなど、個性的な作家さんたちが手がける作品を販売する小物コーナー
新刊書店にはない魅力は「さまざまな時代やジャンルの本が巡ってくること」だと祐平さんは言います。そしてその本たちはまた、さまざまな人の手に渡っていきます。
「80代の方が手放した本が、20代の若者の手に渡っていくこともあったりして。何世代も離れた人の間で本が受け継がれる瞬間を見届けられるのは、古本屋ならではの役得です」
最初はネット販売のみを行っていた祐平さんにとって、実店舗を構え、売り手と買い手の顔が見える中で生まれる出会いや縁は、何よりのやりがいになっています。
人と人のつながりが広がる場に
「古本屋の面白さは、お客さんとの会話の中で、その人のパッと見ではわからない深い趣味を覗けることだと思います」と語る祐平さん。
時には興味深いお客さんに自らインタビューを行い、フリーペーパーで紹介することも。そんなふうに、人の内にある魅力をさらりと引き出す祐平さんのもとには、とても個性豊かな人々が集まってきます。そして、ただ本を売り買いするだけにとどまらないお客さんとの密な交流から、また新たなつながりの輪が広がっています。

開業から約10年を迎えた今、「YOMS」はすぐ隣の物件へと拡大移転を予定しています。「スペースに余裕を持たせることができるので、ゆっくり過ごせるベンチなんかも置いたりしたいですね」
壁面をギャラリーとして活用したり、お客さんとイベントを開催したりと、ポップアップやトークイベントなどの企画も考えているとか。
「新しい店舗では、店を通じて出会った人の縁をまた少し違った形で展開したいと思っています」
一冊の本が人の手を巡り、誰かの人生に新たな影響を与えるように。「YOMS」はこれからも高松の街角で、ふらりと立ち寄った人たちに、思いがけない豊かな出会いを届けてくれるはずです。

こちらは文庫本も流通していますが、安西水丸さんのイラストが素敵なので、単行本では違う味わいが楽しめます

YOMS
香川県高松市田町1-7
12:00〜21:00
定休日 火
090-1850-9482
https://yoms-furuhon.sakura.ne.jp
Instagram @yoms_bookcafe/
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