vol.21

かがわのもの・モノ図鑑 
FILE.4  株式会社島田

麦生産が盛んだったことから、かつては麦わら帽子の一大産地だった香川県。
当時の技術を受け継いだ高い縫製技術が光るブレードハットをご紹介します。

[株式会社島田] 
1.ウルトラスエード®中折れハット/黒(参考商品)2.ウルトラスエード®ハット/ベージュ(参考商品)3.牛革中折れハット/茶(55,000円)4.リネンモヘアブレードキャップ/ベージュ(9,100円)

リネンモヘアを編みこんだ帯状の紐(ブレード)を縫い合わせた暖かなキャップ。編紐の縫製に対し、伸縮性のない牛革ブレードの縫製はより高い技術が求められる。皮革ブレードを縫う技術は、さらに新素材のウルトラスエード®の縫製へと生かされている。

ブレード縫製の技術を多素材に応用


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美しい立体感を生む技とは?

細帯状の紐を少しずつ重ね縫いして作るブレードハット。麦わら帽子に代表される製帽方法の一つで、株式会社島田の代名詞ともいえる技術です。新素材のウルトラスエード®︎を使用したハットは、特有の起毛感としなやかさがありつつも、通気性がよく洗濯もできるのが特長です。皮革は伸縮性が少なく、縫い直しもきかない難易度の高い素材。それゆえ、足下ではアクセルのようにミシンの緩急をつけつつ、指先ではブレードのテンションを常に調整。瞬時の判断の連続で、なめらかな曲面を表現していきます。

<process>

1.ハットの基となるウルトラスエード®のブレード(紐)。スピーディーなミシンの運針を妨げないよう予め巻いてある

2.ハットの仕様書と木型を確認。素材・色・形を決めて試作品を制作し、現物をもとに細かい仕様を微調整していく。OEMで蓄積したノウハウを生かし、幅広い要望に対応している

3.ブレードの縫製。工程表を参照しながら一気にミシンをかけていく。素材によって圧力や針を調整することもあるが、職人の手加減が要(かなめ)となる

4.金型にあててプレス機で成型し、形を整える

多様な技術力をベースに、手仕事らしさを追求する

ブレード、布ふはく帛、帽体など、多品種小ロットで帽子を製造する株式会社島田。どんな要望にもオールマイティに応えられる長年の技術力で、県産麦わらを使った帽子の復刻や、洗える革やペーパーの帽子など新商品の開発にも意欲的です。近年では、極細の繊細なブレードハットに挑戦し、手仕事でしか出せない良さを追求しています。

便利で長く残っていくものを
コンパクトさ、遮光性、洗濯したい…帽子への要望は様々です。アイデアと技術でお客さんの声に応え、より便利で愛着を持ってもらえるものづくりを進めていきます。

代表取締役社長 宝田和久さん


株式会社島田
香川県観音寺市豊浜町和田乙1876-1
tel.0875-52-3783

本社にショップを新設。平日10:00 〜18:00(土日祝は要予約)

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Mizmm

香川に戻って7年目のIKUNAS編集長。讃岐や四国の歴史・民俗・食文化に興味津々。旅も好き。

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