
職人が使い続ける、さぬきの手しごと品
桐の道具入れ
使うのは 鈴木文美男さん
手仕事を支える特別な一品
宮脇和代※さんの桐箱を、金箔入れとして使っています。15年前に香川へ戻ってきた時に、宮脇さんを紹介していただいたのがきっかけです。この桐箱も、その頃に作ってもらったので、もう15年ほど使い続けています。
※ 宮脇和代/香川県高松市出身。指物職人。第47回伝統工芸四国展入選、奨励賞受賞。第55回日本伝統工芸展入選。第64回伝統工芸四国展磯井如真賞受賞
お仏壇を置く場所は湿気がこもりやすいため、引き出しに桐が使われることが多く、桐材は身近な存在でした。
ただ、金箔は以前まで空き箱に入れて保管していて。桐箱を使うようになってからは、その調湿性の高さに感動しました。金箔も傷みにくくなりましたしね。なにより、高級感があるので、使っていると気分が高まります。

宮脇さんとは年齢が近いこともあって、何でも相談しやすいです。僕が「こんなん作れんかな」と相談すると、気軽に応えてくれるんですよ。
特に、いつもと違うものをお願いした時は、宮脇さん自身も楽しんでくれているように見えます。「よしよし、どうしようか」みたいな。僕らの仕事って、同じものを作り続けることが多いので、作業になってしまうこともある。でもやっぱり根はクリエイターなんですよね。
お仏壇は、金箔を多く使います。金箔を扱う時は、とても気を遣うんです。金箔に手の油分が移ってしまうので、普段は油取り紙で挟んで保管していますし、触る前には、おがくずや灰で手をもんで、油分を落としてから触るようにしています。そうしているからか、桐箱にもほぼ手垢がつきません。15年経った今でも綺麗なままです。丁寧に使えば、長く使い続けられるんですよね。


昔の職人さんって、素材を大切にしていたんですよね。曲がった木も、その形を生かして使っていたし、無駄に捨てることをしなかった。僕自身も今までの経験を通して、ものって有限なんだと強く感じるようになりました。お仏壇も、お客様にとって思い入れの強い、大切なものばかり。だからこそ、長く使い続けられるものを選びたいし、そういうものづくりをしていきたいですね。
鈴木文美男 Suzuki Humio
匠製作所代表。仏師や木工彫刻、漆、金箔などの技術を学び、仏壇修繕の専門店として独立。部材を生かして新たな形へと生まれ変わらせる「仏壇リメイク」に取り組む。現在は、現代の暮らしに寄り添う仏壇や神棚づくりを行っている
匠製作所:https://takumiseisakusyo.shopinfo.jp/
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