「ひうら」を受け継ぐ飯田家の桃園
【産地をたずねて】
June 15,2021
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香川県東部に位置するさぬき市。
北は瀬戸内海、南に讃岐山脈から田園が広がる自然豊かな街です。
さぬき市・造田地区は江戸時代より畑のあぜなどに桃の木が植えられて、その桃が販売されていたと記録が残っている桃栽培の歴史ある場所です。この地で「ひうら」を家号に持つ、飯田家の桃園にお伺いさせていただきました。
■「ひうら」とは
広辞苑で調べると「日当たりが良いなだらかな斜面」や「ひだまり」「表山」という意味があります。家号の通り「飯田桃園」の畑は、東南向きのなだらかな斜面にあり、日当たりが良く、水はけが良い所で、ここは果樹栽培に最適な土地とされています。
4月下旬・・・・・・・・
こちらにはじめて訪れたのは4月下旬。
青い小さな桃とすももが実っていました。
ふわふわの産毛があるのが桃。
つるっとした果皮なのがすももです。
果実の違いだけでなく、葉の形が桃の方が少しシャープ。
桃とすももが道を挟んで育っているので、違いの発見や観察が楽しい場所です。
この時期の果実は同じサイズですが、これから時間をかけて大きくなります。梅雨の時期にすももが色づきはじめ、一気に赤く染まります。桃は袋かけを行い、6月下旬頃から収穫がはじまるそう。
6月上旬・・・・・・・・・・・・・・・
「すももの収穫がはじまりました」の一報をいただいたので、再度お伺いさせていただきました。
畑のそばに行くと、甘酸っぱい香りが!
すももの香りです。心を躍らせながら歩いて行くと・・・
可愛いらしい果実が実っていました。
「今日の収穫は終わったので熟したものは少ないです」とのこと。
まだ黄色と赤色のグラデーションものから、真っ赤に染まったものなど様々な色合いとサイズのものがたわわに実っていました。
こちらでは完熟の状態に近いものを収穫しているのでおいしさは格別。
果実を眺めながらつくづく「農産物は芸術品だなー」と心がときめきました。
つくり手の想いと長年の経験、受け継がれた技術があるからこそ、甘みがぎゅっと詰まった香り高く芳醇な桃とすももが育つのだと感じました。
■「ブルーム」は果実が健康な証
すももの表面にはまだらに白い部分があります。
これは「ブルーム(果粉)」といい、雨や朝露などをはじき、病気等から身を守るために果実自体が作り出すものです。農薬やカビなどではなく、新鮮さの指標にもります。
実っている時は果実全体にあるのですが、「収穫をすると手で触れることから少し取れてしまいますが、これは手作業の証です」と飯田さん。
※メイン画像は、撮影をした際に触れる回数が増えてしまったためとれてしまいました。通常「ブルーム」をまとっているのがすももの自然な状態です。
■すももは甘酸っぱいのが特徴
梅雨の時期に実るすももは、これからさっぱりとしたものが味わいたくなるのでぴったりな果実。
「凍らせて食べると夏場にもってこいのデザートになりますよ」と、生産者の飯田さん。
■加工・直売所
「飯田桃園」には直売所もあり6月下旬から7月にはオープンするそうです。
すももに加え、これから桃の時期も迎えるのでさらに楽しみです。
飯田桃園/ひうらの里 直売所
香川県さぬき市造田宮西1329−6
tel.0879-52-2336
営業期間/7月・8月・9月限定
営業時間/10:00~17:00
(売り切れ次第終了することがあります)
■IKUNASf 管理栄養士より■
すももは夏場に失いやすいミネラル、ビタミンを補うフルーツとしておすすめです。
酸味成分は疲労回復効果期待できるであるクエン酸。
妊婦さんや授乳中の方、貧血気味の方に必要とされる葉酸も豊富。
抗酸化作用のある色素アントシアニンは皮に多く含まれるので、ぜひ皮ごと食べてください。