世界に誇る 瀬戸内海食を目指して
March 20,2019
「イタリア料理」、「スペイン料理」、「ギリシャ料理」など地中海沿岸諸国の伝統的な料理や食文化のことを地中海食と言います。
オリーブオイルや野菜、ナッツやチーズが多く食され魚介類を中心とした料理に、赤ワインを適度に飲むという食習慣は、心疾患を防ぐなど健康的に良い効果をもたらすということが、さまざまな研究によって繰り返し報告され、2013年に世界無形文化財に選ばれました。
地中海に限らずその土地に根付く食材や郷土料理は、その環境で育つ作物、獲れる魚介や動物を使い、気候に合わせた保存や生活に基づいた調理方法や調理が行われてきました。
その土地では当たり前のように食されてきたものが、新たな視点で見てみるととても新鮮で、味も栄養面も世界的に評価されるものであるということがあります。
私たちの住む瀬戸内海地方では、日照時間が長かったり、雨が少なく水不足に悩まされ続けてきたという歴史や、海が近く塩づくりが盛んだったことや、麦の生産が盛んだったことなど、食文化もその環境に沿う様に作られてきました。
その食文化に注目し、瀬戸内で育った食材と受け継がれる料理をさらに発展させていこうと活動を始められたのが、地中海食にちなんで名づけられた「瀬戸内海食ラボ」の方々です。
女性3人組の瀬戸内海食ラボは、自分たちが生まれ育った瀬戸内の食文化にポイントをあて、地元の食材を使用し新しい展開を行っています。その取り組みのはじまりとして「讃岐押し抜き寿司」があります。
香川県の郷土料理である押し抜き寿司。
春を告げる魚、鰆が旬を迎えると、酢じめにし、同じく旬を迎えたそらまめなどと一緒に、押し抜き寿司にします。瀬戸内科食ラボさんは、この押し抜きずしの文化に新たな食材の組み合わせや、彩に工夫を加え、目で楽しみ、旬を味わう郷土料理として新たなメニュー展開や商品化に向けて取り組みを行っています。
これまでのお婆ちゃん、お母さんの作る地味な郷土料理のイメージから若い世代でも挑戦しやすく、ハレの日につくるメニューのラインナップに入るような彩り豊かな郷土料理へ。
そのルーツには、香川県の環境で育ったおいしい食材があります。
この取り組みは、香川ビジネス&パブリックコンペ2018 ビジネス部門でもグランプリを受賞されました。
今月末に発売のIKUNASでは、瀬戸内海食ラボさんの可愛い押し抜き寿司や
取り組みについてもご紹介しております。
さぬきの郷土料理の新しい動きにぜひご注目下さい。