おかいもの

静かな土の中からカタチを見つける 陶芸家 貴志 勉 

 陶芸家・岸さんの仕事には、一つひとつのカップや器に宿る“作品”としての存在感があります。「マグカップ一つでも立派なオブジェ。食器だからといって、アートより劣るなんてことはないんです」と。クラフトや手仕事を軽んじる見方に対しても、「それは大きな間違い」ときっぱり。
 もともと岸さんは立体デザイン科を志望していましたが、浪人生活の中でデザインに魅力を感じられなくなり、「作る側」に回ろうと決意。彫刻ほどの根性は自分にないと感じ、手頃なクラフトとして陶器に出会いました。京都で工芸コースを受験し合格したのをきっかけに、陶芸の道へ。入学後は染色や漆、陶器を体験し、漆の立体作品にも触れながら、最終的に陶芸に落ち着いたといいます。
 また、紙の造形作品も手がけ、国内外の展示や受賞経験も豊富です。「クラフトもアートの一分野。スカルプチャーやインスタレーションと同じ枠組みで考えていい」一つの器に込められた思いや技術、その背後にある選択の物語。岸さんの作品は、“手仕事のおもしろさ”を伝えてくれます。

プロフィール
1952 大阪市生まれ
1980 京都市立芸術大学陶磁器專攻科修了
   讃窯(東かがわ市水主)にて作陶開始
1996 独立、工房 Studio・P 設立

入選 新工芸展・日工会展・全関西美術展
   京都 FieldArtProject 2015 他
受賞 2021国際交流総合展・毎日新聞社賞
   2024香川県展・知事賞(立体)
    〃 美術家協会賞(工芸)
個展 高島屋(京都1回・大阪12回)
   高松市塩江美術館・高松市石の民俗資料館       他、各地にて多数


<造形作品出品>
2020 御堂筋アート(大阪)CAF.N びわ湖展(滋賀)同じ刻を生きる作家展・momento2020(京都)
   高瀬川野外彫刻展・アートのワクチン密展(京都) 白鳥神社 Art Summit on the 御山(香川)
2021 御堂筋アート(大阪)CAF.N びわ湖展(滋賀)同じ刻を生きる作家展・高瀬川野外彫刻展(京都)
   国際交流総合展・毎日新聞社賞(京都)
2022 御堂筋アート(大阪)CAF.N びわ湖展(滋賀)同じ刻を生きる作家展・高瀬川野外彫刻展(京都)
   白鳥神社 Art Summit on the 御山(香川)国際交流総合展(京都)
2023 アートエコーまんのう(香川)御堂筋アート(大阪)
   同じ刻を生きる作家展・高瀬川野外彫刻展・国際交流総合展・日韓交流美術展(京都)
2024 御堂筋アート(大阪)CAF.N びわ湖展(滋賀)同じ刻を生きる作家展・高瀬川野外彫刻展(京都)
   日韓交流美術展・国際交流総合展・(京都) 白鳥神社 Art Summit on the 御山(香川)
2025 御堂筋アート(大阪)GoodArt展・ShoeBox展・同じ刻を生きる作家展(京都)
   徳島野外彫刻展(徳島)

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