讃岐の手まり、その始まりに。

February 10,2018

昨日より始まった2月企画展「讃岐の手まり展」

初日からたくさんのお客様にお越しいただき、柔らかな色に包まれた空間を見ていただきました。

ひな祭りに向けて、お雛様の写真をお持ちになり組み合わせをあれこれ悩む方、
ギフトに送る相手の好みを思い浮かべながら選ぶ方も。
ぜひ会期中にたくさんの方に見ていただけたら嬉しいです。

 
讃岐の手まりは江戸時代から受け継がれ作られてきました。

その始まりは、東讃地方の「和三盆糖」、瀬戸内の「塩」、中讃、西讃地方の「木綿」と3つ合わせて生産が盛んであった産業を讃岐三白と呼び、讃岐手まりは、木綿の糸を草木で染めその糸で手まりをかがっていました。

そもそも「鞠」は平安時代に中国から伝わり、その鞠が蹴鞠として金毘羅宮で遊ばれていたところから始まったそうです(諸説あります)。
その蹴鞠を見ていた女性たちが、お座敷で遊べるものとして手まりが作られるようになり、お姫様や、武家の家に女の子が生まれると贈り物として作られるようになったそうです。

上流社会だけに普及していた鞠が庶民にも広まったのは江戸時代。
当時は身の回りにある材料を使って地域それぞれに作られていたそうですが、香川では上記にも書いたように木綿の生産が盛んで、その木綿を使って織物をしたり、布団を作る時に余った糸を使って鞠を作り、いつのころからかがり模様で装飾するようになったようです。

しかし明治以降、木綿の生産の減少やゴムまりの普及などで手まりの文化は廃れていきます。

もう少しで伝統の灯が消えそうになる頃、この季節の花々や日本の古典柄を映し取っていく美しい文化を後世まで残していこうという動きが起こり、現在に至ります。

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普段の暮らしの中から、季節の訪れの喜びや、一瞬の美しさを表現した讃岐の手まりは、作り手の輪を広げながら再び花開こうとしています。ぜひ美しい草木染の糸に彩られた手まりを見にいらしてくださいね。

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今回の展示のために、造形作家のBen Yamaguchiさんがネコと手まりのかわいいオブジェを作ってくださいました!

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