IKUNASvol.12/ 満月に収穫する自然栽培オリーブ

April 08,2021

月の満ち欠けと植物の関係

木を間伐するときは、11月〜12月の新月に向かう時期(下弦の月)に行うと虫がつきにくい(「新月伐採」)とか、
ドラゴンフルーツの花は新月と満月に咲くことから「月下美人」と呼ばれる、など
月の満ち欠けと自然のサイクルは、切っても切れない関係にあります。

vol.12の取材をすすめる中で、香川県・小豆島で「タネむすび堂」を営む片岡玲子さんに出会い、
月の満ち欠けに合わせて収穫するオリーブのことを教えてもらいました。


「タネむすび堂」のカフェで販売しているオリーブオイルは、夫・晋さんが育てたオリーブを搾油したもの。
晋さんはミッション種、ルッカ種など約60本の搾油用のオリーブの木を育てています。

苗木には刈った草や山の落ち葉、薪を燃やして出る木灰やオリーブと椿の搾油かすなどを肥料として与えています。
ミネラル豊富な灰は、土壌をオリーブに最適な弱アルカリ性地質にする機能があります。虫除けの効果もあります。

「タネむすび堂」のオリーブは、暮らしの循環の中にあるもので育てられているのです。

収穫は、満月と新月のときに行われています。
看板商品の一つであるオリーブの新漬けも、満月と新月の2種類。

香川県で、野菜や果樹の特徴は、「温暖な気候で全国的に日照時間も長く、日差しいっぱいに浴びた食材が育ちます」と、太陽光、日照時間について聞く機会が多いです。しかし、太陽光だけでなく、月の満ち欠けが農作物に大きく関わっているということに、こちらの商品に出会ったことで、改めて考える機会になりました。

古来より月の満ち欠けは、農作物を育てる上で大切な指標となっていたそうです。

月の周期は、上弦の月・満月・下弦の月・新月と移り変わりますが、
農作物の成長過程も月のリズムによって変わるのだとか。

力により樹液が上部にのぼる上弦の月〜満月の時期に果実を収穫すると、ジューシーなものに。
逆に乾燥させて長期保存する穀類や芋などは、下弦〜新月の間に収穫すると良いそう。

このため、オリーブも、引力により樹液が上がる満月と新月に収穫時期を合わせています。

月の満ち欠けと樹液の流れを考えると、収穫時期だけでなく、種まきの時期や水をやる量、肥料の配分や与える時期なども大きく関わってくるのだそう。
加えて、例えばウミガメの産卵など、生きものの発生周期にも月の満ち欠けが関係していることがあります。植物の天敵を見つけるにも、月を観察することが大切なのです。

こちらでは、オリーブの天敵であるゾウムシがついたときには、手作業で駆除しているそうです。

食べものは自然の恵みで育まれています。
再度これからの先を見据えて、自然とともに生きるとは、持続可能な社会とは何かについて、考える必要があると実感した出会いでした。

タネむすび堂
香川県小豆郡小豆島町池田1088-5

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カフェ「タネむすび堂」は、IKUNASvol.12誌面でもご紹介しております。ぜひご覧ください。

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