四国のさしすせそ 〜砂糖・塩〜 IKUNAS vol.11「人生によりそう食」
March 30,2020
砂糖・塩・酢・醤油・味噌の「さしすせそ」は和食の味をきめる立役者。
3/31発売のIKUNAS vol.11では、10号ぶりに「四国のさしすせそ」を特集しています。
今回は「さ」砂糖、「し」塩をピックアップ。
エディターが食べ比べをして、商品ごとに「これ、合う!」と思う食べ合わせも紹介しています。
食べ比べの中で、編集部一同「やっぱりおいしいよね」となったのが香川県・小豆島の「御塩(ごえん)」。
二十四の瞳映画村のほど近く、田浦半島にある製造元の波花堂さんを取材し、そのおいしさの理由を教えてもらいました。
「御塩」は、大まかに言うと、海水を釜で煮詰めてつくられています。
波花堂の蒲さん曰く、多湿な日本各地で昔から脈々と受け継がれてきたつくり方です。
釜にかん水(塩分濃度を高めた海水)を入れて、沸騰しないぎりぎりの温度でゆっくりと煮詰めます。
火は長い時で2週間も炊き続けるそう。四角い釜は鉄製。かん水と反応し、味を損なうカルシウム分を取り出しやすくします。
かん水が沸騰するとせっかく分離したカルシウム分が混ざり込んでしまうため、
煙突から出る煙の具合を見ながら、じっくりゆっくり、火を入れ続けます。
小学校の自由研究で塩を研究したという蒲さん。
その研究を思い出し、自宅で面白半分に海水を煮詰めてみたことが塩づくりの始まりだったとか。
塩づくりの一つひとつの工程にはちゃんと理由があり、
方程式のようにそれらを実直に積み重ねることで、おいしい塩ができあがるのです。
味付けの基本の「き」である「さしすせそ」は、今日も各地で丁寧につくられています。
キッチンでふと、四国のことを思い出してもらえたら嬉しいです。
IKUNAS最新号は3/31に発売です。