土佐の郷土料理/イタドリの油炒め

IKUNASf【レシピ】

April 23,2021

  • IKUNASf
  • 四国のおいしいもの

受け継がれる郷土料理には、地域の文化や歴史、昔ながらの知恵がその一品にギュっと詰まっています。
その想いと味を残すべく、月2回(第2・4金曜日)レシピとともに四国の郷土料理について紹介します。

四国は横に長く、同じ県内でも地域の特色があります。
それぞれの県民性もありますが、太平洋側か瀬戸内海側か、四国山脈の北側か南側か、住む地域が海側か山側かなどでも大きく違っています。

例えば、香川県西部と愛媛県東部には「さつま」という、瀬戸内海で獲れる黒鯛(チヌ)と味噌を使った同じ郷土料理があります。また、高知県では東部・中部の土佐弁と西部の幡多弁と方言も違えば、味付けも全く違います。
各地域で根付く郷土の味をお楽しみください。

土佐の郷土料理
「イタドリの油炒め」
香川県で”イタドリ”について話を聞くと、「小さい頃にかじったな〜。酸っぱいやつね〜」という声が多いです。あまり食べる習慣はないようです。(地域によって食べるそう)
春になると野山、畦道に自生しているので、珍しい食材ではないのですが、時々産直などに並んでいるのを見ると、嬉しい気持ちになって手に取ってしまいます。

\葉イタドリ (イタドリにも種類があります)/

“イタドリ”は、春になると道端に生えてくる、たくさん節のあるタデ科の多年草。
3月下旬〜5月上旬に採取できる柔らかい新芽は、山菜として古くから煮物や炒め物に食べられてきました。
高知県では”イタドリ”の時期になると、新聞に「イタドリ 凛と若芽」(高知新聞)と紹介されるほどメジャーな郷土食材で、高知に春を知らせる山菜として愛されています。
生を料理する他、大量に手に入ったら塩漬けにしたり、今では冷凍して保存することで年中食べることができます。

\イタドリの塩漬け/

“イタドリ”をおいしく食べるポイントは、「酸味を抜くこと」「手早く加熱して歯応えを残すこと」です。

~イタドリの下処理~
1.皮をはぐ
イタドリにお湯をかけるとはぎやすくなります。
2.鍋の大きさに合わせて切る
鍋に入る大きさか、料理に使う大きさ3〜4cmサイズに切ります。
3.熱湯に通す
沸騰した湯に少しずつイタドリを入れ、色が変わり出したら、氷水に取ります。
4.水にさらす
時々水を変えながら半日水にさらすと酸が抜けます。

〜イタドリの冷凍保存方法〜
1.イタドリの皮をはぎ、5〜10%の塩をふってしんなりさせる。
2.イタドリをフリーザーパックのお大きさに切り、軽くしぼって詰め、空気を抜いて密封し、冷凍する。
※使う時は水につけて解凍し、塩味、酸味が抜けてから調理する。

そんな下処理をしたイタドリを使って、イタドリの定番メニュー「油炒め」を紹介します。

「イタドリの油炒め」
材料(4人分)
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・下処理したイタドリ 300g
・油 大さじ1(ごま油がおすすめ)
・砂糖 大さじ1
・しょうゆ 大さじ2
・かつお節 適量
・いりごま 適量

つくり方
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1.油をあたためたフライパンで、酸を抜いた3〜4cmの長さのイタドリをさっと炒める。
2.調味料とかつお節を加えて味をなじませて火を止める。
3.仕上げにいりごまをふって出来上がり。
<ポイント>
炒めすぎない、煮すぎないこと。歯ごたえが大切です。

高知県人にとっては、1年に一度は食べたくなる郷土料理です。
きっと近場に生えていると思いますので、機会があれば作ってみてください。

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IKUNAS/香川県・高松市のデザイン制作会社が年2回発刊(3月下旬・9月下旬)する四国のモノ・コト・ヒトを取り上げたライフタイル誌。香川県の伝統工芸品、産業をはじめとするものづくりや郷土食など毎日の生活にフレーバーを届ける内容を紹介。その中の食の取り組みが「IKUNAS ffood)/イクナス エフ」。

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