こんな状況だからこそ、あらためて「食」について考える IKUNAS vol.11「人生によりそう食」

April 07,2020

IKUNAS vol.11を発売して1週間。
たくさんの方々から反響をいただき、スタッフそれぞれが自分たちの活動について改めて考えています。

今日は、そんなIKUNAS vol.11の制作中に感じたことを書こうと思います。

2月も終わろうかという頃。ちょうどIKUNASの制作も終盤を迎え、入稿前で社内の慌ただしさがピークに近づいていた時期に、その知らせは入ってきました。

「新型コロナウイルスの影響で、学校がしばらく休校になるらしい」

実はIKUNASを制作する当社は、スタッフ全員が女性。
働く母も多く、一報が入ってきた時には大勢のスタッフがフリーズ。
義務教育中の子どもが2人いる私もその一人でした。

「一番忙しい入稿前に、どうしよう・・・」

その日はそれぞれ仕事の合間に、翌日からの段取りという業務も追加され、
本当に落ち着く暇もありませんでした。

突然訪れた長期休み。
我が家はラッキーなことに、子どもたちを
私の実家に預かってもらえることになりました。
ただし、毎日お弁当を持たせなければいけません。

ちょうどIKUNASの制作中だったことで、
小学生たちがつくる「マイ弁当」に触発されて最初は張り切ったものの、
1週間も過ぎると、だんだんつくるのもマンネリ化してきました。
なにより朝ご飯をつくる傍らで、子ども+夫の弁当をつくるのは
私にとっては至難の業でした。

そして、自分のお弁当をつくるように「適当」では済まされないのが、子どもたちの弁当。
そんな中、「冷凍のからあげ最強!」と息子に言われたことを機に、
このままではダメだと方向転換することにしました。

まず、作り手を増やすことにしました。
普段から手伝いをする小学生の娘は「だし巻き卵」が作れます。
とりあえずそれを日課にしました。

「おいしい!母さんより上手!あー明日も食べたい!」
その声がけだけで翌日から娘は早起きするようになりました。
結果的に、1カ月ほぼ毎日、だし巻き卵がお弁当に入りました。
でも確実に腕を上げ、味も本当に私より上手につけられるように。
箸使いやフライパンの扱い方が上手になったのも副産物でした。

そして、鶏肉が好きな中学生の息子には「とりあえず焼くだけ」の
ルーティンを課しました。
前の晩から下味をつけておいた鶏肉を、ただ焼くだけ、が彼の仕事です。
塩麴、焼き肉のたれ、甘酢、しょうが醤油などを試し、
時には牛肉や豚肉にも展開されました。
そのうち自分の好みがこれだと気づくと、
「からあげよりうまい!」と自賛しながら
鼻歌交じりに弁当箱に詰めるようになりました。

これらは、もしも休校にならなかったら、
できなかったかもしれないこと。
私自身の忙しさをどうにかしたくて考えたことでしたが、
子どもたちが少しだけ「作ること」に向き合えた時間でした。

まだまだ新型コロナウイルスによる影響は広がる一方で、
心が休まりません。
香川県でも新学期は始まったものの、家でいる時間は長いままです。
その時間を使って、家族みんなで「食」について考えてみるのも
今しかできないことかもしれません。

「マイ弁当の日」の取材で撮影した一コマ

滝宮小学校の生徒さんたちががんばってつくった、「マイ弁当」

IKUNAS vol.11「人生によりそう食」。
ぜひお近くの書店でご覧ください。
amazonでもお買い求めいただけます。

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