讃岐の伝統的工芸品「讃岐のり染」。大川原染色本舗さんの工房を、中学生とともに訪ねました。

October 19,2018

今月、県内各地で行われた秋祭りで、獅子舞を見たことがある人も多いのではないでしょうか?
獅子がまとう豪華絢爛なデザインの油単(ゆたん)、実は香川県だけの特色なんです。
獅子の文化が盛んで、県内には数百もの獅子舞連があるといわれていますが
一説では、互いに競い合い、その豪華さを比べるようになったことが、派手な油単となった理由ともいわれています。
そんな油単をつくっているのが、高松市にある「大川原染色本舗」さんです。
IKUNASでは11/10に、実際に工房をたずねることもできるイベントを企画していますが、
一足早く編集部では、職業体験でIKUNASに来ていた附属高松中学の加藤さんと行本さんも一緒に、
その工房をたずねてきました。
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絹に豪華な柄が施された油単や、代々伝わる藍染の見本帳、大きな藍の甕に、興味津々の一行。
大川原さんにいろんな質問をしながら、のり染めの工程やその歴史などをじっくり聞くことができました。
11/10のイベントでは、工房を見て、話を聞いて、実際に絵付けの体験をすることができます。
初めての取材を体験した加藤さんと行本さん。
じっくり考えながら、工房をたずねた感想を寄せてくれました。

「可愛らしいトートバッグ」    加藤里菜子
先日染め物を作る大川原染色本舗を訪ね、インタビュ―をしました。
中に入ってみると、大きな幕や旗がある部屋の隅に、小さなトートバッグがありました。
赤い牡丹の花に水玉模様の、可愛らしい物でした。お話を伺ってみると、
「このようなものは、いろんな人が自分の所有物として使うことができます。
古い伝統を途絶えさせないために、たくさんの人に染め物が愛されるように、と作っています」とおっしゃっていました。
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今まで私は伝統工芸品を特別な仕事をしている人が持つものだとばかり思っていました。
実際そのような面もありますが、でもそれだけではなく、「どうしたら愛されるか」と考えられているものでした。
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昔を大切にしながらも、現代に合うように工夫していることに、とても強い職人魂を感じました。
大川原染色本舗の皆さん、貴重なお話有難うございました。

「『想い』でつなぐ文化」     行本冴映
職場体験で[大川原染色本舗」へ連れていってもらいました。
古風な建物の中に足を踏み入れると迫力のある龍の染物が出迎えてくれました。
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この染物は、「のり染め」と言い、もち米を使用しているそうです。
ゆたん、手ぬぐい、ハッピなどになり、様々な模様には、願いが込められています。
例えば、獅子舞には、必勝祈願、つるとかめには長寿など。
染物に描かれているものには、伝説や、今の時代にも伝わる美しいものを
次世代の人々にも知ってもらうためだと、今まで思っていたので、このことを知り、驚きました。
そして、この美しく神秘的な、「のり染め」は、のりを使っているため
春は乾燥に、梅雨は湿度の高さに悩まされ、とても天候に左右されるものなのだそうです。
この天候の壁を破るには、高度な技術とともに、経験が必要だと、大川原さん。
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大川原さんは、お客さんの要望に応じお客さんのイメージを形にできるように、
日々制作活動に取り組んでいるそうです。
誰がこの「のり染め」の作品を見ても緻密な大変な作業が目に浮かぶと思います。
だけど大川原さんは毎日「文化を伝えるため」に懸命に制作活動をしています。
今の私たちは、次世代の人たちに、この「のり染め」を知ってもらうために、
色々な努力をする必要があると思いました。

大川原さんの「讃岐のり染」の商品はこちらIKUNAS web storeへ▶︎

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