職人の指先から生まれるブレードハット
取材こぼれ話/株式会社島田
June 11,2021
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天然素材やプレミアムストックを活かした上質な帽子
香川県の西端、観音寺市豊浜町にある老舗の帽子工場 株式会社島田。
天然素材などでできたブレード(組紐)を縫い合わせて作るブレードハットを中心に、様々な種類の帽子を製造しています。
温暖な気候から麦の栽培が盛んだった香川県。
特に中西讃地区では明治から昭和初期にかけて、
農閑期の仕事として麦わらを用いた「麦稈真田(ばっかんさなだ)」づくりや
それらを用いた麦わら帽子の製造が盛んに行われていました。
しかし、海外製の麦わら帽子が台頭してくるにつれ、
徐々に県内での帽子製造工場は減ってしまいました。
現在、日本全国でブレードハットを手掛ける帽子工場はわずか10軒のみ。
そのうち株式会社島田ともう1軒が、ここ香川県観音寺市にあります。
OEM生産で培ってきた高いブレード縫製技術を活かしたのが、
オリジナルブランド「PRIVATE BRAND ROOTS 135°」です。
バオ、ラフィア、そして麦稈真田など、産地の分かる天然の草木を使用。
リネンやシルクなど上質な素材にもこだわっています。
こうした希少な原料を岡山県にある自社工場でブレード(組紐)へと織り上げ、
仕上がったブレードを帽子へと縫い立てていきます。
また、工場で保管していたプレミアムストック(デッドストック)の素材も活用。
過去に製造していた帽子などの残糸や残布、リボンなどを新たな製品へと再生しています。
あっという間に縫い上げる、ブレード縫製職人の高い技術
1本のブレードを頭頂部からくるくると縫い上げるブレードハット。
その縫製には高い技術が求められます。
10本の指先と足も使いながら、あっという間に帽子を縫い上げていきます。
本来ならば基準となる木型に縫っては合わせ、また縫っては合わせと
少しずつ調整を重ねて縫い上げていきますが、
熟練の職人はそれぞれの木型の形を覚えており、目で見ただけですばやく縫い上げることができるのです。
こうして生み出された角のない美しいカーブは、
頭の形をきれいに見せながらも、しなやかに頭に沿って軽いかぶり心地を実現します。
オリジナルの帽子をフルオーダーできる新ブランド
2021年、株式会社島田から新たなブランド「Hicktown Craftsman Club」が誕生しました。
靴や服などと違い、市販されている帽子の多くは2サイズしかありません。
頭の形やサイズは人それぞれなのに、ぴったりと合うサイズがない。
それゆえに「自分は帽子が似合わない」と思い込んでしまっている人が多い、と同社の宝田社長は言います。
「Hicktown Craftsman Club」のサイトに形状や素材、頭囲などをWEB上で入力すると
2週間ほどでオリジナルの帽子ができあがります。
フルオーダーした帽子はもちろん頭にぴったり。
経年変化を楽しめる上質な素材で長く使うことができるため、
まさに相棒のように欠かせない存在となってくれるはず。
厳選された素材選び、洗練されたフォルムをカタチにする高い縫製技術。
こだわりの詰まった株式会社島田の帽子は同社のオンラインショップのほか、
IKUNASのイベントでもお買い求めいただけます。
株式会社島田
香川県観音寺市豊浜町和田乙1876-1
tel.0875-52-3783